第8回ブダペスト国際指揮者コンクール

<コンクールの沿革>

日本では「ブダペスト国際指揮者コンクール」として知られているこのコンクールは、実はその正式名称を「ハンガリー国営テレビ主催 “ヤーノシュ・フェレンチク記念”国際指揮者コンクール」という。("In memoriam Janos Ferencsik" Hungarian television international conductor's competition / ハンガリー語表記 A Magyar televízió nemzetközi karmesterversenye ) その名の通り国営テレビ局の主催によるこの国際コンクールは、現在はハンガリーが生んだ大指揮者フェレンチク・ヤーノシュ(性・名の順)の名を記念しているが、1974年4月24日から5月12日まで開催された第一回では彼が審査委員長を務めまだ存命中であった(当時のハンガリー国立交響楽団・常任指揮者/その後の第二回コンクールまで審査委員長を務めた)。この第一回目の優勝者が、日本でもこのコンクールの名知らしめたその人・小林研一郎氏である。その詳細は氏の著書「指揮者のひとりごと」(騎虎書房刊)に詳しいが、意外と知られていないのが、この時に第三位になったのが現在新星日本交響楽団の首席客演指揮者オンドレイ・レナルド氏(当時ブラティスラヴァ放送響の常任指揮者)のことであろう。コンクールは3年おきに開催され、現在までに9回が行われている。これまでの入賞者について特筆すると、第四回(1983年)の第3位には、これまでサヴァリア交響楽団で井﨑の前任で常任指揮者を務めたロバート・フーリハン氏(アイルランド)、第六回(1989年)の第3位には、昨シーズン井﨑と共に同じくサヴァリア交響楽団で常任指揮者を務めたコチャール・バラージュ氏(ハンガリー)がいる。第七回(1992年)には本名徹次氏が見事優勝している。井﨑が優勝した第八回の後、ハンガリー国自体にも“ベルリンの壁”崩壊後の改革と経済不況の影響が現れ、国営でありながらテレビ局自体の経営難、経済難が深刻になり、コンクール中止が叫ばれたが、幸いにして第九回(1998年)も開催。この時にはこのコンクール史上初めてハンガリー人ヘイヤ・ドモンコシュ氏(2000年のシーズンに東京シティフィルに客演予定)が優勝した。本来ならば第10回が2001年5月に開催予定であったが、相次ぐ経済状況の悪化とハンガリー国営テレビの組織の弱小化に伴い、開催が延期された。主催者側によると、翌年に開催を持ち越すと発表されているが、現在までにその詳細や見通しなど一切発表されておらず、多くの参加希望者をがっかりさせている。

 

<第八回の開催詳細>
・予備審査・・・(資格)1960年1月1日以降に出生の者 (書類)履歴と音楽歴 (提出)指揮演奏を収めたビデオテープ 
(〆切)1994年12月1日 (取りまとめ、及びコンクール自体の運営は全て国立音楽エージェント“Interart Festivalcenter"が行っていた) 
*応募総数が250通以上、通過者は23カ国45人
・開催期間 1995年5月7日~21日 (第一次)5月9日~12日/ソムバトヘイ (第二次)5月14日~16日/ミシュコルツ (本選)5月18日~19日/ブダペスト (授賞式・ガラコンサート)5月21日/ブダペスト

 

<審査員>(アルファベット順)

エーリッヒ・ベルガ-(ドイツ・指揮者)、ボロンカイ・アンタール(ハンガリー・音楽学者)、チキ・ボルディジャー(ルーマニア・作曲者)、ギョルギー・リーナー(ドイツ・ヴァイオリニスト)、エルヴィン・ルカーチ(ハンガリー・指揮者)、カール=ハインツ・マン(ドイツ・音楽学者)、メドヴェツキ-・アダム(ハンガリー・指揮者)、パオロ・オルミ(イタリア・指揮者)、ヴャチェスラフ・オフチニコフ(ロシア・作曲家/指揮者)、ペトロヴィチ・エミル(ハンガリー・作曲家)、ラヨシュ・ライター(スロヴァキア・指揮者/作曲家)、トマス・ザンデルリング(ドイツ人・指揮者)、各ステージのオーケストラ(サヴァリア響、ミシュコルツ響、ハンガリー国立響)

 

<コンクールの基本ルール>

参加者はまず5月7日にコンクール委員会指定の“Hotel Helia”に集合し、最も若い参加者が始めにくじを引いて演奏順を決める。その後本選までの演奏順は全て、その最初の演奏者から名前のアルファベット順(降順)に演奏することになる。二次予選には12名、本選には6名のみが進むことができ、上位3位までの入賞者(及び大衆賞受賞者/この3人以外からの選出の場合も可)がガラコンサートでの演奏ができることになっている。


※資料再収集中のためまだ「工事中」のサイトで、開設以来ずっと一部のみを公開しております。大変申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください。今後画像、本文とも内容を充実致したいと思います。ご期待ください。

>>第一次予選(ソムバトヘイ)